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 2015年11月、レッドハットでは代表取締役社長に望月弘一(もちづき ひろかず)が就任いたしました。今回は、望月から就任のご挨拶をさせていただくとともに、今春スタートする新年度に向けて、昨年度の総括ならびに新年度の抱負をご紹介させていただきます。

OSSはユーザー企業のビジネスモデル変革を
支える“Enabler(=陰の立役者)”として、大きく存在感を増している

オープンソースソフトウェア(OSS)がもたらす企業の変革とは

今やITは、企業活動において必要不可欠なインフラとなりました。それは単に業務効率化を支援するものというだけでなく、画期的なビジネスモデルを生み出す、あるいはビジネスモデルを変革するドライバーとして活用されるようになってきています。
たとえば、移動したい個人と車の所有者をマッチングするUber(ウーバー)や“民泊”に市民権を与えたairbnb(エアービーアンドビー)などのサービスは、既存のタクシー業界や宿泊業界の存在そのものを脅かすまでに急成長してきています。こうした破壊的なビジネスモデルを支えているものこそがITであり、さらに現在、先進的なユーザー企業ではOSSを採用してより速く、より低廉に、高品質な情報システムを作り上げ活用する、という動きが強まっています。皆様のビジネスモデル変革を支える“Enabler(=陰の立役者)”としてのOSSの存在感が、ことさら大きくなってきていると言えます。
言うまでもなくOSSは、特定ベンダーの思惑で作られたものではなく、ユーザーコミュニティから、ユーザー自身の手によって生み出されるソフトウェアです。盛り込まれる機能もすべてユーザー視点に根ざしたものであり、常に進化を続けています。商用製品のようなライセンス料も必要ありません。
今ではこうしたOSSの有用性が、お客様企業の間でも広く認知されるようになってきています。ITコストの最適化や基幹システムの機能補完という傾向の強かった従来の利用用途から、OSSの高品質な機能そのものを使いたい、あるいはOSSを採用してシステム導入のスピードを上げ、環境変化に柔軟に対応できるようにしたい、というご要望が増えてきています。
レッドハットは20年以上にわたり、OSSを企業システムの中で使いやすくすることを考え続けてきた会社です。OSSの注目度が上がるとともにお客様からのレッドハットに対するご期待も高まり、我々がお役に立てる場面がさらに広がってきていることを強く実感しています。

 

グローバル企業の半数以上がITプロジェクトでまずOSSを検討する。
OSSは既に“デファクトスタンダード”になった

事業成長を遂げた2016年度の総括

レッドハットは、2016年度も前年に引き続き堅調な成長を続けています。米国本社における第3四半期(2015年9月〜11月)の売上高は対前年同期比で15%増となり、2003年度以降、55四半期連続となる事業成長を達成してきています。日本市場においても同様に推移しており、これもひとえにお客様、パートナー企業の皆様のお力添えあっての賜物だと心より感謝しております。
レッドハットでは3年前から、「クラウド/モバイル」「ビッグデータ&IoT」「データセンターの刷新」という3つのソリューションエリアに焦点を当てて事業を展開してきています。2016年度の総括としては、まずクラウド/モバイル事業でOpenStackのビジネス(=Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform)が順調に伸び、売上は対前年比で60〜70%増と勢いある成長を遂げることができました。官公庁や製造業のお客様を中心に多くの業種で採用いただいており、評価期からいよいよ導入期が到来、2017年度以降は普及に入ると予想しています。またクラウド認定サービスプロバイダーの拡充も図り、国内では既に40社のクラウドプロバイダーとパートナー契約を締結しています。2015年11月にはマイクロソフトもパートナーに加わり、パブリッククラウドサービスであるMicrosoft Azureの基盤としてRed Hat Enterprise Linux(RHEL)をご利用いただけるようになりました。最終的には、300社との協業体制を築きたいと考えています。
さらに昨年は、クラウド/モバイル分野の製品として、Dockerアプリケーションのシステム基盤となる次世代PaaS製品 OpenShift Enterprise 3と、モバイルアプリケーションの基盤となるRed Hat Mobile Application Platformを発表、国内での提供を開始しました。製品ラインナップを充実させたことで、我々がお客様にご提案できるソリューションの幅も大きく広がったと自負しております。
2つめのビッグデータ&IoT事業では、レッドハットのソリューションフレームワークである“リアルタイムビッグデータシステム”を導入したビッグデータ分析の事例が出てきています。IoT事業基盤の構築も進めており、組み込みデバイスに搭載するテクノロジーをプロモーションしていくための“組み込みディストリビューターパートナー制度”の実施も発表しました。さらにビッグデータを保管する器として、我々のSDS(Software Defined Storage)製品であるRed Hat Gluster Storageをご採用いただく事例も出てきており、着々と実績を積み重ねています。
そして3つめ、データセンターの刷新に関しては、お客様のなかでメインフレーム環境のオープン化が進んでいます。アプリケーションのモダナイゼーションを進めるという観点からも、中央官公庁や通信業のお客様を中心にRed Hat JBoss Middlewareの採用が加速しており、特にビジネスルールエンジンのRed Hat JBoss BRMSについては、引き続き市場シェアトップ(35.1%)の位置を堅持しています(※注1)。
OSSに期待するテクノロジーイノベーション
 

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