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 2016年10月5日、国内最大級のOSSイベント「レッドハット・フォーラム 2016」が東京・恵比寿にて開催された。今回のテーマは「The power of participation ―アイデアとテクノロジーが生むオープンイノベーションの破壊力―」。ITの役割や可能性が大きく変化している今、日本経済の持続的成長や地域社会の変革、さらにはグローバル市場における日本企業の成長に、レッドハットビジネスの根幹であるオープンソースソフトウェアがどのように貢献できるのかをテーマに掲げた。来場者数は1,900名にのぼり、約40のセッションやワークショップが設けられ、展示エリアでは協賛スポンサー企業15社によるソリューション紹介、ミニシアターなどが実施された。

■ゼネラルセッション

オープンソースは、個々の総和より大きな力、新たなカルチャーを生む

米国レッドハット 社長 兼 CEO
ジム・ホワイトハースト

 午前中に開催されたゼネラルセッションでは、レッドハット株式会社 代表取締役社長の望月弘一による開会の挨拶に続き、米国レッドハット 社長 兼 CEOのジム・ホワイトハーストが講演。さらに、米国レッドハット アプリケーションプラットフォームビジネス シニアバイスプレジデントのクレイグ・ムジラが講演した。

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 ホワイトハーストは冒頭「指数関数的な速度で変化が起きている」と投げかけた。ソフトウェアはかつて数社のR&Dにより作られていたが、今は多くのユーザーや企業が開発してシェアするオープンなコミュニティによって作られ、イノベーションを起こしている。「オープンソースによって、個々の人の総和を超えさらに大きな力が生まれ、新たなカルチャーをも生み出している。これを『The power of participation』と呼んでいる」(ホワイトハースト)。
 そのうえで、「ITのこのような変化が、業種を超えて企業に「DISRUPT(破壊)」をもたらしている。企業は、社内のカルチャーを変化させ、DevOpsのような手法に取り組んでいくことが課題になる」と指摘。そこでのレッドハットの役割について、「低コストで代替品という位置付けだったLinuxを、レッドハットはミッションクリティカルなアプリケーションを支えるものに発展させてきた。われわれは、多数のコミュニティに参加し、コミュニティで何が起きているかを知り、どのソフトウェアがベストなのかを判断して必要なものを選択していく。さらにアップデートや機能追加に貢献し、より安全に使えるエンタープライズ製品を今後も提供していくのが、われわれの役目だ」と訴えた。
 あわせて、パートナーのエコシステムを重視する姿勢も示した。認証ハードウェアや認証エンジニアを揃えるとともに、パートナーがサポートできるようコンサルティングにも力を入れていく。「パブリッククラウドから物理サーバーまで、あらゆるプラットフォームでレッドハットの認証によりデプロイを可能にし、ロックインをなくして選択肢を提供する」。
 講演の最後は、オープンソースの3Dプリンターで人工装具を作成し、無料で配布する『e-NABLE財団』の紹介ビデオを上映。オープンソースが、コードだけでなくいかにイノベーションに寄与しているかを実証しつつ締め括った。

 

「デジタルトランスフォーメーション」に向けた新しいシステム

米国レッドハット アプリケーションプラットフォームビジネス
シニアバイスプレジデント
クレイグ・ムジラ

 すべての企業がソフトウェア企業化すると言われる「デジタルトランスフォーメーション」。そのための新たなシステムについて紹介したのがクレイグ・ムジラだ。

クレイグ・ムジラ

 具体的には、アプリケーションの「アーキテクチャ」と、どのように作っていくのかの「プロセス」、インフラの「プラットフォーム」を3つの軸として解説。アーキテクチャについては、小さな自律した機能が他のサービスと通信する「マイクロサービス」を取り上げ、柔軟性が高く、短期間で機能を実現できると説明。プラットフォームについては、物理サーバー/仮想サーバー、プライベートクラウド/パブリッククラウドという複数の環境をサポートする“オープンハイブリッドクラウド”について、「成功の鍵は、アプリケーションが同じように動作する『一貫性』だ」と述べた。プロセスについては、アジャイル開発と、開発からテスティング、本番システムへのデプロイを自動化するDevOpsが重要だと訴えた。
 続いて、これらに対応するレッドハット製品を紹介。まず、全体のプラットフォーム製品として、コンテナによりプラットフォーム間のポータビリティと一貫性をもたらすのがOpenShiftだ。また管理製品として、マルチクラウド管理のRed Hat CloudFormsも取り上げた。
 開発者視点では、新たな開発時に各種言語やフレームワーク、ミドルウェアをコンテナで利用することで一貫性を実現できるとし、無償のOpenShift Container Local、チーム向けのOpenShift Container Lab、そして本番環境用のOpenShift Container Platformを取り上げ、紹介した。
一方、運用者視点では、Red Hat SatelliteやAnsible Towerの有用性を訴え、脆弱性に迅速に対応し、再デプロイできる環境の重要性を説いた。

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