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 現在、世界に存在するオープンソース(OSS)のプロジェクトは100万件を超えるといわれており、各プロジェクトでは新たな発明やイノベーションが日々起きている。本稿では、2017年7月に開催された「IT Japan 2017」(主催:日経BP社)でのレッドハット 代表取締役社長 望月弘一の講演をベースに、今年のレッドハット・フォーラムの前奏として、ビジネスイノベーションを成功に導く要因とレッドハットの取り組みについてご紹介する。

望月 弘一

レッドハット株式会社
代表取締役社長
望月 弘一

 

ビジネスイノベーション成功に必要な“3つの重要な要素”

 私たちレッドハットは、ビジネスにおけるイノベーションを創出するためには、3つの重要な要素があると考えています。
 1つめが、変革の原動力としてソフトウェア技術を活用すること。2つめが、外向きの発想を起点に社内外の人材を活用すること。そして3つめが、まずはトライしてみて、市場等の反応を見ながら軌道修正をかけていくこと(=Try, Learn and Modify)です。
 1つめのソフトウェア技術の活用については、今から約6年前、ネットスケープの開発者であるマーク・アンドリーセン氏が“いずれソフトウェアが世界を飲み込む”と予言しており、それが今現実のものとなっています。ソフトウェアの力や技術をフルに活用できない企業は、いずれ衰退の一途を辿ることになるでしょう。逆の見方をすれば、今ビジネスイノベーションに成功している企業の大半はソフトウェア中心のビジネスモデルを構築しているということです。
 その代表的な例がアマゾン・ドット・コムですが、日本においてもクラウドベースの会計サービスを提供するマネーフォワードが、国内約2,600社の金融機関とAPI連携を実現して“オンライン家計簿サービス”をリリースし、短期間で500万以上の会員数を獲得しています。
 2つめですが、企業は常に外向きの発想を拠り所として、社内外の人材を積極的に活用しながら社内の意識改革を促進していく必要があります。我が国でも既に、大手金融機関の3行がCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)の設置を発表し、顧客利便性を追求する“お客様ファースト”への挑戦を目標として掲げています。
 そして3つめ、 “Try, Learn and Modify”というアプローチは、じっくりと時間をかけて綿密な計画を立て、実行に移すというスタイルはもはや通用しないという現実を如実に物語っています。まずはターゲットとする市場や顧客層を限定し、スピード重視でスモールスタートを切る。そして市場ニーズと仮説とのギャップを適宜修正していくという姿勢が求められています。

ビジネスイノベーションを実現するための変革戦略モデル

 

レッドハットのOSSがビジネスイノベーションを支える

 こうしたビジネスイノベーションを創出するための取り組みを支えるITにもまた、3つの重要な要素があります。すなわち「新しいアイデアを早期に実現できること」「次世代のIT環境を整えること」そして「継続的なサービス改善を実現できること」です。この3つの要素を全て満たすソリューションこそがOSSであり、実際に、時価総額世界トップ5の企業はすべてOSSのアーリーアダプターであり、コアユーザーとなっています。
 レッドハットでは今、世界に100万件以上あるOSSプロジェクトの中からお客様にとって価値ある高品質なプロジェクトを約2,000件選定し、積極的に開発者を送り出すことで各コミュニティに貢献しています。さらにその完成度を高め、ミッションクリティカルな環境でもご利用いただける高品質なソフトウェア製品として、私たちの保証と共に市場に提供しています。
 近年、特に注目されているのが、アプリケーションプラットフォームの「Red Hat OpenShift Container Platform」です。例えば、オーストラリア最大の投資銀行であるマッコーリー銀行では、金融業界での競争が激化し再編が進む中、OpenShiftを活用することで利便性の高いモバイル端末向けのサービスを次々とリリースし、利用者からのフィードバックやアイデアをいち早く吸収して、継続的改善に繋げる体制を確立しています。
 またドイツ銀行では、OpenShiftを開発基盤としたIT内製化を進めており、世界的な自動車メーカーであるBMWでも、コネクテッドカーのドライバーに向けたサービスの迅速なリリース、継続的なサービス改善、急激な大量トランザクションへの対応を実現するために、レッドハットのOpenShiftを採用いただいています。
 レッドハットでは今年、より多くのお客様のイノベーションをご支援するために、ボストンとロンドンに“アイデアをイノベーションに育てる場”として「Open Innovation Lab」を開設しました。同ラボでは、ワークショップ形式で、イノベーション実現までのロードマップ作成をご支援します。今年中にはシンガポールにも開設され、もちろん日本のお客様にもご利用いただくことが可能です。
 今年のレッドハット・フォーラムでは、先進事例やOSSの最新テクノロジーを通じて、まさにビジネスイノベーションを実現するためのさまざまなヒントをお届けいたします。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。

 


レッドハット・フォーラムにて講演

マッコーリー銀行

豪州最大の投資銀行は、デジタルバンキングでいかに顧客体験を変革したか 〜OpenShift, CloudForms, Ansibleで実現するDevOps環境〜

ビデオでご紹介しています。ぜひご覧ください(約2分)
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