THE ENTERPRISERS PROJECT


取材/監修:Enterprisers Project
2016年11月29日

2016年の夏からAdobe SystemsでSVP兼CIOを務めるCynthia Stoddardは、世界中で働く同僚とのリレーションシップの構築も含めて、同社を知り尽くすための多忙なスケジュールをこなしてきました。The Enterprisers Projectでは、そんな彼女から今の時代の成功するCIOの条件について話を聞きました。

The Enterprisers Project (TEP):デジタル・トランスフォーメーションが進みeBayのCEOが言うところの「場所を問わない時代(The Age of Everywhere)」が現実のものになるに連れ、多くのIT部門が自分たちの次代の姿についての定義を進めています。そこで質問なのですが、将来のITにおける理想のCIO像というのは、どのようなものだとお考えですか?

Stoddard:今日のCIOに求められているのは、包括的にあらゆる方面に精通していることはないでしょうか。ビジネスと技術の両方に対するバックグラウンドを備え、深い造詣を持ち、リスクを恐れない自信が必要です。

TEP:ビジネス面優先のCIOと技術面優先のCIOのどちらが良いのかという議論が常に巻き起こっています。もしも選択できるとしたなら、どちらをお選びになられますか?

Stoddard:どちらも大切なのですが、CIOの役割がビジネス寄りに近くなってきている状況を考えれば、CIOにビジネス上の鋭い洞察力が求められる事は避けようのない事実だと言えます。

CIOとしての基本的な役割は、テクノロジーがビジネスに対して何を提供できるか伝えるための翻訳者でありアドバイザーであることだと私は思っています。それが自社のビジネスだけにとどまらず自社の顧客のビジネスも含めて、ビジネスがどのように運営されているのか理解していない限り、この役割を担うことはできません。当然ながら、CIOはエグゼクティブ・チームへの助言を行えるに相応した高い信頼性を備えている必要があります。

なのでビジネス関する経験を豊富に持っていることが望まれます。これはビジネス・ユニットの中で働く事を特に指しているのではなく、ビジネスと接する多くの機会を持つ事がとても重要だという事なのです。ゴールは、競合が存在する環境の中、そして顧客が解決しようとしている課題の中、ビジネス上であなたと共に働く人達が何を求めているのかを予想できる能力を得ることにあります。これがあってこそ、顧客の課題に応えることが可能なテクノロジーによる斬新なアイデアを提案でき、そして他のエグゼクティブと共に動けるようになるのです。

TEP:ビジネス課題とテクノロジーが交差する良い例はありますか?

Stoddard:データとアナリティクスが良い例です。データが伝えようとしているエッセンスをビジネス課題に適用させ、ソリューションを引き出す方法を理解できれば、それはとてもパワフルな武器になります。これはCIOが成功するためのもう一つの鍵でもあります。データは正に差別化要因となるので、常にデータに関心を払うことが求められるのです。個人的な視点で言えば、データはエンタープライズにおける新たな通貨なのです。データの利用の仕方やどのようなツールが存在するのかを理解し、そして包括的なデータ/アナリティクス・エコシステムが機能するように手はずを整える、これらの全ての動きのその頂点に立つ必要があります。先の「場所を問わない時代(The Age of Everywhere)」では、全ての顧客の手元に彼らが納得するエクスペリエンスを届けなければいけません。そしてそれを後押しするのがデータなのです。

TEP:今日のCIOにとって、その他に求められているものは何でしょうか?

Stoddard:顧客中心の思考が鍵です。自分たちの立ち位置からでなく、エンド顧客の立ち位置に自らを置いてみることです。また、自社内の他の人達の立ち位置に自らを置いて見ることも重要です。これら両方の人やプロセス、そしてテクノロジーに関連した課題とベスト・プラクティスの特徴の全てを自分の目の前に置いて考えることができるようになるはずです。

また、腕まくりをし、常に現場の人間で有り続ける姿勢も重要です。先にも触れましたが、技術面でのバックグラウンドを持つことは大切です。スタッフとのテクニカルな内容の会話に参加することは貴重なことなのです。これによって課題の傍に身を置く事ができ、また問題解決を手助けする際の大きな力となることができます。このような会話の場に居る事が、より高い信頼性の源となるのです。

TEP:有益な情報が盛りだくさんですね。その他気にかけておくべきことはありますか?

Stoddard:CIOは居心地のよい環境の中にとどまったまま先を見ようとすることが意外に多いと私は思います。システムが問題なく稼働していても、そしてITが全般的に問題のない環境にあっても、イノベーションを続けていくために、私たちは常に前を見ながら進んでいく必要があります。「フォーカスすべき次の時代のアイデアは何か?」と自問することが大切です。また自らのサイロの中に篭りがちなCIOもよく見かけます。そんな場合、私ならCTOやCFO、そしてCMOと膝を交えて話す機会を設けてくださいと助言します。彼らが何を考えているのか理解しましょう。今日のような環境では、ビジネスを動かしていくためにCIOは他のCxOと共に手を取り合いながら課題に挑む必要があります。そのためにも他のエグゼクティブ・リーダーとコラボレーションし、そして影響を与えあうことが重要なのです。

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