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RED HAT | intel

 歴史は浅いながら研究に力を入れているシンガポールの南洋理工大学(Nanyang Technological University:以下、NTU)は、人気急上昇中の大学だ。世界トップスクール50の39位にランクイン(2014年現在)しており、創立50年以内の大学ランキングでは、世界第1位を獲得している。同大学には、シンガポールそして世界各地から、学部生と大学院生合わせて3,800 名が在籍している。

 NTUでは、パブリックおよびプライベートなコンピューティングリソースを収容するために、安定した柔軟性のある、高パフォーマンスでスケーラブルかつコスト効果の高いクラウドインフラストラクチャ基盤を設計する必要があった。そこでRed Hatと連携して、Intel Xeonプロセッサーベースのサーバーおよびストレージ用のNetAppSnapMirror上で動作する、オープンソースのRed Hat Cloud Infrastructure上にソフトウェアインフラストラクチャ基盤を構築した。

利点

  • ・セキュリティに妥協することなく、リソースのスケーラビリティを向上
  • ・自動化されたリソースプロビジョニングを通じて、効率の向上を実現
  • ・既存リソースを効率よく活用することで、コストを節約
  • ・他の学術機関向けのクラウド採用フレームワークとして使用できるハイブリッドクラウドモデルを実装
  • ・リソースの割り当てと管理の改善により、関係機関との協業を促進

 

ビジネスの課題

NTUの理工地球観測学部の研究者や学生は、大規模コンピューティングプロジェクト用に高性能のコンピューティング(HPC)リソースを必要としていた。そのため、大学側は研究者や学生の要件に応えるべく、無制限の容量、プラットフォームの抽象化、規模の経済を達成できる能力を兼ね揃えたコンピューティングリソースを求めていた。

同大学では、リソースの活用を最大限に高めつつ、人手を介するプロビジョニングや承認プロセスで生じる不要な諸経費を軽減しなければならず、それには研究とHPCにありがちな予定外のコンピューティング需要に対処しなければならなかった。さらにワークロードをNTUからAmazon Web Services (AWS)に速やかに移行して、AWC Direct Connectを介してその弾力性のあるコンピュートリソースを利用すると同時に、パブリッククラウドの外部データを維持し、確実に保存する方法も模索していた。

これらの要件に加えて、インフラストラクチャソリューションは下記を考慮する必要があった。

  • ・ユーザーが、データと一部サービスの災害復旧を合理的コストでリモートからセットアップできること
  • ・物理マシンに近いレイテンシを有する、より応答が早い仮想マシン向けの高性能I/Oとネットワークパフォーマンス
  • ・学術研究用の超高速情報通信網(HPCC)の域内か外部クラウドに存在するリソースの統合管理
  • ・高速なデプロイと管理コスト削減のため、エンドユーザーが基本的なセルフサービス機能を使えるようにすること

これらすべての要件を満たすために、HPCCチームはオープンソースに基づくソリューションが必要であると判断した。「私たちには、ハイブリッドITクラウドアーキテクチャをシームレスに実装できる安全なオープンソリューションが必要でした」とHPCCの設立者であるYeng Chai Soh教授は述べている。

ソリューション

NTUは、学内にプライベートおよびオンプレミスのクラウドを構築するためにRed Hat Cloud Infrastructureを採用した。このソリューションは、Red Hat CloudForms、Red Hat Enterprise Virtualization, そしてRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platformの3つのRed Hat製品からなるものだ。

「私たちはいくつかのベンダーを比較しましたが、Red HatのRed Hat Cloud Infrastructureが、最も用途が広く完全なソリューションを提供していることがわかりました」(Soh教授)。

仮想化コンポーネントは、従来のスケールアップワークロードに必要な機能を提供する。Intel ® Xeon ® プロセッサー E5-4650L-8Cベースのサーバーを利用することで、Red Hat Cloud Infrastructureの計算密度に達するための柔軟性を最大限に得ることができる。さらにIntel ® Xeon ® プロセッサーE5ベースのプラットフォームにより、Red Hat Cloud Infrastructureでは数値計算中心の作業であってもエネルギーを効果的に使えるようになった。

Red Hat Linux OpenStack Platformは、スケールアウトなワークロードを処理する。またRed Hat CloudFormsはAWSで動作するワークロードだけでなく、複数のテクノロジーにまたがる一元管理を保証する。AWSが広範にわたってIntel ® Xeon ® processor E5ベースのソリューションを使っているので、Red Hat Cloud Infrastructureで動作するプライベートとパブリッククラウド間の統合はシームレスに行われた。

さらにNTUはNetApp SnapMirrorによって、自分たちのプライベートNetAppストレージから、AWS Direct-Connect ロケーションを介してAWSにリンクされている別のNetAppストレージへボリュームを複製できるようにもなった。SnapMirrorは、LANやWAN接続によってデータを1つ以上のネットワークファイラに高速にミラーする。これにより、NTUのデータをリモートのNetAppストレージに書き込んで複製できるとともに、AWSを利用した弾力性のあるコンピューティングリソースを利用できるようにもなった。

NetAppはAWS認定プライベートネットワークストレージ唯一のベンダーであり、強力な技術専門知識を持つエンタープライズクラスのプロバイダーであるため、NTUがストレージとしてNetAppを選ぶのはごく自然な流れだった。

NTUは、Red Hat Cloud Infrastructureに含まれるRed Hat コンサルティングおよびサポートサービスを使うことにした。Red Hatコンサルティングはソリューションの設計をサポートするとともに、NTUの既存のインフラストラクチャと十分に統合されていることを保証した。さらにはこの新しいテクノロジー分野のエキスパートも投入された。

 

導入効果

Red Hatのソリューションとサポートによって、NTUはデータをローカルの内部ストレージに保持しながらプライベートクラウドとパブリッククラウドをシームレスに統合している。新しいハイブリッドクラウドITアーキテクチャにより、同大学は弾力性のあるコンピューティングという利点を享受するとともに、パブリックとプライベート両方のクラウドリソースを統合できる。Red HatとIntelおよびNetAppをAWSへシームレスに統合することでNTUは革新的なクラウドモデルを設計できるようになり、このモデルは他の学術機関へも展開が可能だ。

新しいオープンなハイブリッドクラウドインフラストラクチャの実装は、時間とコストの節減だけでなく大幅なパフォーマンス改善をNTUにもたらした。例えば、仮想マシンを人手でプロビジョニングしてリソースを常時監視するのとは対照的に、ユーザーは必要な時にサービスカタログを通してリソースに迅速にアクセスできる。現在NTUは、自動化されたリソースプロビジョニングで、クラウドとデータセンターの両方のデータボリュームの急増を管理する柔軟性を持ち合わせている。

「Red Hat Cloud Infrastructureによって、かつては少なくとも1日かかっていた作業が今では30分で完了します。単一のユーザーインターフェースで、ユーザーはシームレスなセルフサービスのポータルにアクセスでき、AWSだけでなくオンプレミス、プライベートクラウドサービスの両方からリソースを管理しています」

Red Hat Cloud Infrastructureはユーザーが自主的に設定して使うことができ、充実した解析やレポートが取れるセルフサービスポータルは管理者の時間を節約できるため、コスト削減に直結する。その結果リソースが解放され、チームはより戦略的なプロジェクトに集中できるようになる。

「Red Hatとともにソリューションを設計することで、NTUは数々の革新的なソリューションを紹介でき、これは世界的にも日々の研究構想に良い影響を与えています。またこのソリューションは、リアルタイム管理とリソーシングにおいて特定のニーズを持つ調査機関や企業にも採用できるものです」とSoh教授は語っている。「Red Hat Cloud Infrastructureは、ハイブリッド環境の一元管理を、コスト効率が高くスケーラブルかつ革新的な方法で実現したのです」。

NTUは今後、Red Hat CloudFormsおよびRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platformの豊富な機能とオープンな特性をさらに活用して、統合認証によるシングルサインオンを採用する計画も立てているとのことだ。

Soh教授は、大規模なデプロイを検討している人たちに向けて、段階的な方法を取り、試験導入から始めてあらゆる潜在的な問題を整理するようアドバイスする。

「オープンスタンダードとオープンソースを活用して相互運用性を確保し、単一のベンダーに縛られないようにしましょう。私たちはソリューションを購入しただけなく、Red Hatと長期にわたる協業パートナーシップを構築することができました。大規模なデプロイを成功させるためには、信頼できるパートナーと仕事をすることです」。

 


 

NANYANG TECHNOLOGICAL UNIVERSITY

導入製品・サービス

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ハードウェア

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