オープンソースのおと


Hello, World!

みなさん、こんにちは。レッドハットの中井です。記念すべき「オープンソースのおと」第1回のコラムをお届けさせていただきます。

このコーナーでは、レッドハットで技術に関わる仕事をしているメンバーが、それぞれの「愛する何か」について熱く語ります。

レッドハットは、今でこそ「エンタープライズ」な感じの企業になりましたが、元々は、Linux好きのエンジニアが集まって立ち上げた「ゆるい」会社です。今でも社内では、各々が自分の愛する技術を持って、日々、その探求を続ける文化が残っています。(オフィスの自席から後ろを振り返ると、そこには、オープンソースの開発を支えるctagsの世界最大のコントリビューターがなにげに座っていたりします。)

そんなユニークなメンバーからのメッセージを通して、レッドハットの社内の様子をお伝えしていきたいと思います。――― 「愛する何か」を持った新しいメンバーも、もちろん絶賛募集中です!

 

「愛する何か」の見つけ方

ところで今日は、新年度が始まった4月の中旬。技術系の新入社員から「まずは何から勉強すればいいんでしょう?」、そんな質問が投げかけられる季節かも知れません。人事部の新人研修担当の方々は、「今の時代、何と何と何を学ばせればいいんだろうか?」、そんなことを会議で話し合っているのかも知れません。

でもよく考えてください。あなたが何かを勉強するのは、何のためでしょう? 企業に求められる人材になってビジネスに貢献すること? 新しい技術で社会に貢献すること? ――― もちろん、そういう考え方もできるでしょう。でも私は、本当の理由は、「愛する何か」を見つけることだと思っています。

「人間が本当に愛するものを見つけるのはとても大変なことで、それがすべて、要するに人生の中心だと思うね。一生かかっても、ついにそれが見つからない人も多いと思うんだよ。だけど、ドアが閉まっていても、いつかは絶対に自分の好きなものが見つけられると、そういうふうに導かれているんだと信じることだね。だいたいは、どこもかしこも閉まっていると、絶望的になっちゃうんだよ。だけど、あっちこっち叩いているうちに、どこかのドアがポンと開くと思うんだね。その開いたドアが、自分のいちばん求めている、愛するものへの道だと、とりあえず信じるんだよ。そこへ入る、またドアが全部閉まっている。必死になって叩くと、またひとつだけドアが開く。そういうところをひとつづつ通過しているうちに、いつか、ものすごい光が自分の中に出てくるはずなんだよ」(村上 龍・訳)

これは、私が高校生の頃に読んだ小説「イリュージョン」の解説文に書かれていた、著者であるリチャード・バックの言葉です。なんとも素敵な考え方ではないでしょうか。企業の経営者からすれば、会社の「人材」というのは、ビジネスに必要な「素材」なのかも知れません。でも、単なるビジネスの素材として「育成」されるなんて、まっぴらですよね。誰のためでもない、自分自身のため、自分が愛する何かを見つけるために、何でもいいからまずは勉強をはじめてみませんか?

そういう意味では、技術者にとって、今はとても恵まれた時代なのかも知れません。今までになかった新しい技術がオープンソースとしてどんどん公開され、企業の枠をこえて誰でも利用できるようになっていきます。どの企業の経営者も、人事部の研修担当者も、自社の技術者に何を学ばせればよいのか、もはや見当が付かなくなっています。この隙にこそ、自分勝手に何でも勉強して、「技術力に投資する価値」を経営層に見せつけてやりましょう。

実は、一時期、私がTwitterでつぶやいたある言葉が妙にうけて、Togetterにまとめられた事があります。(今でも私の名前でGoogle検索すると、何故かトップに出てきます。)

そう、これです・・・

「何でもいいから端から勉強しとけ!」

 

これから技術者として、何を学ぼうかと思案するみなさんへ(そして、私自身へも)あらためて、この言葉を投げかけておきましょう。

・・・と、ちょっと話が精神論に偏ってきたようですので、最後に、少しだけ実践的なアドバイスをお伝えしたいと思います。

 

インフラ技術を学ぶ際のポイント

私自身は、IT業界の中でも特に、「インフラ技術」と呼ばれる領域に興味を持って、勉強を続けてきました。その中で気づいたポイントは次の通りです。みなさんの参考になれば幸いです。

個人の範囲で入手できる情報は膨大にあります。

同じ事柄でも複数の書籍・文献にあたる事で、本質的な部分がより明確になります。あらゆる情報源を活用して学習する事を心がけましょう。

個人の範囲で試せることも沢山あります。

インフラ技術は、実際の動作を見ないで理解することは困難です。まずは、実機で試してみることが大切です。うまく行かない場合には、ログファイルやソースコードから動作の詳細を追っていく「論理的思考力」が最大の武器になります。

すべての技術には、それが生まれた理由・目的があります。

その技術を利用する目的、ユースケースを考えていくことで、その技術の何が重要なのか、おさえるべきポイントは何かが分かるようになります。「その技術を使うと何が便利になるのか?」「自分だったらどのように使うか?」という事を考える習慣をつけるとよいでしょう。

 

それでは、次回をお楽しみに!