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新サービス「Red Hat Open Innovation Labs」が始動

 去る2018年4月24日、レッドハットは2019年度における事業戦略を発表した。パートナーやお客様とともに新たな価値創造を目指すための戦略をはじめ、新サービスや最新事例など攻めの取り組みが紹介された。

オープンソースの採用が加速、
存在感を強めるレッドハット

 創立から25周年を迎えた米レッドハットは、オープンソースのリーディングカンパニーとしてこれまで市場を牽引し続けてきた。それを踏まえて、2019年度の事業戦略についてレッドハット株式会社 代表取締役社長 望月 弘一は次のように語る。

 「昨年度、レッドハットはグローバル市場において前年比21%増、29億ドルの売上を達成し、16年(64四半期)連続の売上成長を実現した。その成長の内訳を見ると、サービスを含めたRed Hat Enterprise Linux(RHEL)以外の製品の伸び率は33%に達し、2年前に米レッドハットの社長兼CEO ジム・ホワイトハーストが掲げた『2020年にはRHELとRHEL以外の製品の売上比率を50 : 50にする』という目標が、計画通りに進んでいることを示している」

企業文化を生かし、競争力を生み出すマルチクラウド、
DevOps/コンテナ、自動化/俊敏性の3要素

 望月はまず、お客様のニーズを満たすためにレッドハットが掲げる今年度のビジョンに触れた。「お客様の新たな価値創造に重要となるのは企業文化であり、それは他社との違いを生み出すアドバンテージとなる。当社では“オープンソースで日本のビジネスを元気にする”というビジョンを掲げ、お客様に製品やサービスを提供するだけでなく、一歩踏み込んでお客様のプロジェクトに共に参画し、組織や企業の枠を越えた協業や企業文化の重要性を説いていきたい。そして、グローバルな競争力を強化し、デジタルトランスフォーメーションを加速する革新的なパートナーとしてまい進したい」

 では、お客様のニーズとは具体的に何を指すのか。

 「昨今、企業においては複数のクラウド環境をいかに最適化するかという点が大きな命題かつ課題となっている。そこで重要なのは、いかに柔軟に臨機応変に最適なクラウド環境を構築するかということ。そのニーズを実現すべくインフラ基盤、アプリケーション開発、運用管理の3つの要素に重点的に取り組んでいく。インフラにおいてはマルチクラウド、開発においてはDevOps・コンテナ、運用管理においては自動化と俊敏性がカギとなる。これらをいかに実装するかという点で、我々の今年度の戦略を端的にまとめると『オープンハイブリッドクラウド』、すなわち“クラウドの選択に自由を”というテーマに集約される」(望月)

アイデアをいちはやくイノベーションへと変える
Red Hat Open Innovation Labs

 3つの各要素では、ハイブリッドクラウド基盤として「Red Hat OpenStack Platform」、アプリケーション基盤として「Red Hat OpenShift Container Platform」、そして管理・自動化では「Red Hat Ansible Automation」をそれぞれの製品軸として、パートナーとの協業をさらに強化拡充しながら展開していく。

 また今年度の新たなサービスとして、「Red Hat Open Innovation Labs」の始動を発表。

 「Red Hat Open Innovation Labsは、スキルアセスメントやトレーニング、効果検証までを実践する場を提供する。インフラの構築からアプリケーションの開発、効果・検証、そして最終的にお客様のシステムへデプロイするステージまで、全面的に支援するサービスだ。レッドハットのコンサルタントやエンジニア、そしてパートナーが知見を提供し、お客様とともに新しい開発プロセスや文化を生み出していくので、ぜひ有効に活用していただきたい」(望月)

お客様、パートナーとともに築いてきた
実績とノウハウがイノベーションを加速

 最後に、3要素のそれぞれに関連した新たな導入事例が紹介された。NTTコムウェアは、Red Hat OpenStack Platformによって柔軟性と拡張性に優れた開発環境クラウドサービス「DevaaS」を構築。開発者4,000人が活用する同環境ではインフラの運用効率が30%向上した。また野村総合研究所では金融機関に向けたアジャイルなサービス基盤を提供、OpenShiftのコンテナ技術を用いて初期費用と月額コストの45%を削減し、インフラの準備期間も3ヶ月から1週間に短縮した。さらに九電ビジネスソリューションズでは、Ansible TowerによるITインフラ業務の自動化で作業のスピードや品質が向上し、運用コストも1/3に削減、新規事業への取り込みが加速している。

 最後に、注力領域におけるパートナーとの協業として3社が登壇。伊藤忠テクノソリューションズがオリエントコーポレーションにおけるOpenShiftの導入事例を紹介し、同社のインフラ・構築コストが従来の1/3に、アプリの構築からデプロイまでの時間も1/2に短縮したと報告した。NTTデータでは OpenStack、Openshift等からなるクラウド基盤を標準展開しており、さらに今年度はレッドハットの知見を活用して顧客のDXを支援していく予定だ。また日本ヒューレット・パッカードは、自社のエンタープライズサーバーとRed Hat OpenShift Container Platform、構築に必要な各種サービスをパッケージ展開するコンテナShiftパックを紹介した。

 お客様やパートナーとともにさらなる実績とノウハウを積みながら、レッドハット自身のイノベーションも今後ますます加速する。

  • (左から)
  • 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 技術革新統括本部 システム技術本部長
    冨安 寛 氏
  • 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 流通・エンタープライズ事業グループ
    流通・EPビジネス企画室 プロダクトビジネス推進部部長 菅野 政治 氏
  • レッドハット株式会社 代表取締役社長 望月 弘一
  • 日本電気株式会社  プラットフォームサービス事業部
    クラウドプラットフォームサービス部 部長 木村好孝 氏
  • 日本ヒューレット・パッカード株式会社 執行役員 ハイブリッドIT事業統括
    五十嵐 毅 氏