THE ENTERPRISERS PROJECT


BJ’s Wholesale Club エンタープライズ・アーキテクト
Peter Buonora
2016年3月14日

フォーチュン500中に2000年当時ランクインしていた企業の52%が今はもう存在していないと最近聞いて、私は大きなショックを受けました。エンタープライズ・アーキテクト(EA)という職務は随分前から存在しています。しかし以前は、今のように目まぐるしい速度で顧客のニーズが変化したり、淘汰をかけた争いに直面することは皆無でした。このデジタルの時代に有用とされ続け、そして淘汰されるのではなく淘汰して行く側の存在になるには、どのようにすればよいのでしょうか?テクノロジーによって高度にドライブされるビジネス・モデルの変革の誘導役となり、企業に本当の意味での希望を与えることが可能な人材、それが新時代のエンタープライズ・アーキテクトです。

CIO同様、それぞれの時代のニーズに応えるためにエンタープライズ・アーキテクトのあり方は何度も形を変えてきました。いまの時代、ビジネスやテクノロジーの「改革を提唱する」だけのエンタープライズ・アーキテクト求められていません。必要とされているのは、ITの分野だけではなく、その企業のあらゆる側面を熟知し、未来を切り開いていくための実際の戦略や可能性を生み出せる人材なのです。

中には、ビジネスの知識を多く有するエンタープライズ・アーキテクトのチームもあるでしょう。しかしそれだけに頼ることはできません。プロフェッショナル集団として、CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)のような新しいプレーヤーに意見を求め、共にブレインストーミングを行う必要があるのです。デジタル・トランスフォーメーションに関して、彼/彼女達がどのような考え方を持ち、そしてそれがどのように成長を促進していくのかについて、私たちは知り尽くしておく必要があります。時に、年次報告書からはじまり社の創設者が起業した理由にいたるまで、私たちが知り得たあらゆる事をベースにして、包括的なビジネス戦略を導き出す必要があるのです。社のDNAやカルチャーも知り尽くしておく必要があります。だからこそ、どのような結果に向けて動きをとる必要があるのか、また、目標とする明確なゴールをどのように設定するかを定義できるのです。これがあってこそ、ビジネスの領域とコラボレーションし、信頼関係を築いていけるようになるのです。

私の会社では、テクノロジーに関する戦略は1ページにまで凝縮されています。極めてシンプルにかつ明確に平滑な表現を用いて、どこへ向かっているのか、将来どのようなことが可能になっているのか、そして最終的に得られる結果とはどのようなものなのかが記されています。この書類を用いて会談を始めることは極めて重要で、参加者はみな広い視野で物事を考えられるようなるのです。単なるテクノロジー戦略ではありません。全方位を網羅した、より現実的かつ協力的なビジネス・テクノロジー戦略なのです。
 
 
目に見えない壁を越えるために

あるとき、私はビジネスの世界に近づいていく過程で、ビジネスの世界に生きる人達と私たちの間を隔てる目に見えない壁が存在していることに気がつきました。もちろん、彼らにもIT関連の事柄に関して手助けをする専任の人材がいます。しかし、私たちとのリレーションシップの形成を阻むものなどないという考え方を持つ事はとても重要なのです。

エンタープライズ・アーキテクトは厳格かつ高度に秩序立てられたフレームワークとプロセス(TOGAFやDODAF等)を適用しようと試みてきました。しかし私の知っている限り、それがビジネスの世界の人達の琴線に触れる事はありませんでした。エンタープライズ・アーキテクトは単に「TOGAFでいこう!」と旗を振るために企業に雇われたわけではないのです。手を差し伸べ、共にビジネスの道を歩む人達と連携し、彼らが行っている事へのパッションを示し、また、彼らが目標を達成するために何を手助けできるのかを示すために私たちは存在しているのです。彼らの目標達成を手助けするために、あなたが出来る事のいくつかを簡潔に示したり、あなたが彼らの目標達成を手助けしようとしていることに気付いてもらう必要があるのです。

エンタープライズ・アーキテクトの役割は1社として同じではないと言われています。まさしく、これも混乱を招く考え方です。もちろん誰もが理解できるような、高度に標準化された職務ではありません。役員クラスのJava開発者ができることなら容易に察しがつきます。その能力は容易に理解でき、評価することも可能でしょう。

エンタープライズ・アーキテクトに関して、人々は長い間「ビジネスとITとのすり合わせ」のために存在していると言い続けてきました。しかし実際にはだれも「すり合わせ」など必要だとは思っていないのです。だからこそ私は、私たちが「すり合わせ」にフォーカスしているのではないことを強調して活動しているのです。競争力を維持し、新たな可能性を提供するのに欠かせない変革に向け、企業が加速でき、進化でき、そして突き進めるよう、私たちは手助けしているのです。エンタープライズ・アーキテクトは変革のためのカタリストであるべきで、人々の心を開かせ「もしも…」と言わせるための触媒であるべきだと、私は信じています。大げさな話にも聞こえるでしょう。しかし実際は、会話が始まった段階では皆の心の中に埋もれていた考えやアイデアを表面化させるために、なるべく多く質問をするようなシンプルな事なのです。

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