THE ENTERPRISERS PROJECT


Red Hat グローバルアウェアネス・コンテンツマネージャー
Carla Rudder
2017年2月6日

求人サイトで最近行われた調査によれば、調査対象となった企業の86%がテクニカル系の有能な人材を見つけるのに苦慮していると回答しています。また人事部門のマネージャーの75%が、IT関連のポジションを埋めるのには時間を要すると回答しており、さらに、急場をしのぐために能力の伴っていない人材を採用したことがあると53%が認めています。

そして何よりも、回答した企業の83%が、才能のあるIT人材の雇用難は収益に悪影響を与え、製品の開発の遅れを引き起こし、市場の拡大を阻害し、ITチームにおけるストレスの元凶になっているとしています。

ビジネスの成果に直結することに間違いのないテクノロジーに長けた人材が不足する中、自社のニーズを満たす人材を惹き付けるためには、競合する他社よりも抜きんでるために何かが必要なのです。変化している労働者の状況についての第一人者であり、London Business Schoolで組織的行動に関するエグゼクティブ・フェローを務めるTammy Ericksonもこの考え方を支持しています。

彼女はHarvard Business Review Analytics Servicesの最近のレポートの中で「もしも限られた狭い範囲の中で人材の確保に関して競合と対峙する必要があるなら、働くのにベストな場所になるための方法を見つけ出す必要があります」と述べています。

The Enterprisers Projectのサポートによるこのレポートでは、CIOや人事のプロフェッショナルからの有効なアドバイスや意見が取り上げられています。このレポートは、優秀な人材を惹き付けるためにはミッションとカルチャー、そして感動体験の共有の3つが重要だとしています。

 
ミッション

今日のトップ水準のIT人材は、最先端のテクノロジーに触れられる環境や、興味をそそられる分野のプロジェクトで働くことを求めています。ただ、決してそれだけで話は完結しません。彼らは挑戦を好み、またその働きにやり甲斐を求めています。そしてまた、彼ら自身が熱く共感できる、組織のミッションとの繋がりを求めているのです。

貴重な気象情報を提供し、人々の日々の基盤生活をITの力で支えているWeather Companyは分かりやすい例だとHBRのレポートは指摘しています。また世界の食糧事情を支えているMonsantoも良い例だと言えます。

しかし社会的な繋がりがこれほど大きくない企業の場合はどうすれば良いのでしょうか?

HBRのレポートは、自社のITが持っている存在意義を明確にして前面に打ち出すべきだとCIOに説いています。SunTrust BanksのCIOであるAnil Cheriyanストーリー性とコミュニケーションを通して自らのチームのミッションを「安心して利用できる金融サービスのために(light the way to financial well being)」と打ち立て、また、ITチームのメンバーを自行の支店へ出向かせたり、顧客との電話でのやり取りを聞かせるなどして、より顧客個人の目線に近づくことを推奨しています。Cheriyanは「テクノロジーの視点から見て、私たちが行っていることは、全てお客様のニーズに応えるためのものです。ですから業務の最前線や人々の心の中を知ることが、私たちにはとても重要なのです」と説明しています。

 
カルチャー
「個性を放つカルチャーを、全ての企業が持っている必要はありません」とHBRのレポートの中でEricksonは述べています。しかし、それが社内からどのように見えていたとしても、個性の光る独自のカルチャーは素晴らしい人材を惹き付け、そして彼らを魅了し続けるための大きな鍵を握っています。この点で、CIOはどのようにして他社との違いを際立たせればいいのでしょうか。

FCCを例にとれば、CIOのDavid Brayは、賞賛のカルチャーを創り出しました。ここでは前の週に比べて期待以上のパフォーマンスを見せた者に対し、毎週チームからサンキュー・ギフトが手渡されます。

CVS HealthのCIOであるStephen Goldにとってカルチャーは何よりも重要な事柄で、特に彼は責任のカルチャーを創り上げることにフォーカスしています。プロジェクトが高い確率で不首尾に陥るような環境においては、カルチャー面での問題が原因として考えられると彼は言います。Goldは「カルチャーはテクノロジーや人材に依存せず、ある程度までは物事が進められる道筋をつけ、そして安全性と信頼性を確保してくれるメカニズムやフレームワークなのです」と説明しています。

 
感動体験の共有
単にIT部門という枠の中だけにどどまらず、感動体験の共有を通じて個人を強く結びつけて強いチームを作り上げられる活動はないかと、多くのCIOが模索しています。ヘルスケア企業であるDaVitaでCIOを務めているAlan CullopはHBRのレポートの中で、彼のチームは住宅を建て、公園の美化に貢献し、経済的に恵まれない児童のために学校で活動し、バックパックや文房具の寄付を行い、また自然を学ぶために共に公園に出向いたりなどの慈善活動を行っていると述べています。

Vanguardでは、卓越した働きを見せたIT部門の従業員が誰でもノミネートされ受賞できる可能性を持つPeer Recognition Awardを設けています。CIOのJohn Marcanteは、これによってチーム・メンバー間の結束感が強まったと言います。彼は「Vanguardでは数多くの賞を用意していますが、これは同僚からのノミネートによるものなので特別な賞だと言えます。ノミネートされた者の働きについてはマネージャーも一目を置いているはずですが、ここでは何よりもチームへの貢献を誰もが認めていることが大切なのです」と説明しています。

詳細は、Harvard Business Review Analytics Servicesレポート「IT Talent Crisis: Proven Advice from CIOs and HR Leaders」をダウンロードしてご確認ください。

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