THE ENTERPRISERS PROJECT


AUTOMIC、CTO
John Purrier
2017年4月13日

スピード、アジリティ、効率、拡張に対するエコシステムなどのクラウドを魅力的にしている様々な要素は、超ハイペースで物事が変わり続けていくデジタルなビジネス環境にとてもよくマッチしています。

しかし、クラウドをデジタル・トランスフォーメーションに役立たせるのは皆さんが考えているほど簡単なことではありません。CIOや他のCxOは1つは技術面での、そしてもう1つは社内のプロセスやカルチャーや組織構造にも関係した2つの課題に直面するからです。

最初の課題は、革新的な製品やサービスの迅速な提供で市場における優位性を確保し、また同時に、効率的なビジネス運営を実現するためにITアーキテクチャを再設計することに帰結します。これを難しくしているのは、多くのエンタープライズで今なお利用され続けている古い専用システムの存在です。これらは現在もミッションクリティカルなニーズに応えているため簡単に取り除けないのです。

2つ目の課題もデジタル時代におけるスピードとアジリティという同じ目的を持っていますが、企業の組織の構造の中に深く根ざしている、回りくどく、動きの鈍い物事の進め方を撲滅することが中心になります。デジタル・トランスフォーメーションの実現において、2つ目の課題の方がより手ごわい障壁になりうるという事実を知って企業の多くは驚きます。

典型的な例を上げてみましょう。パブリック・クラウドがデータの保護に関しても大きな進化を遂げ、また、マルチテナントにおいてよりセキュアかつパフォーマンスを維持した形で各々の環境を分離できるため、デジタル・トランスフォーメーションはますますクラウド・テクノロジーへの依存度を高めています。この動きがエンタープライズのITに与えているのは、テクノロジーの視点からではなく、ビジネスの視点から見て最も有効ところにワークロードやデータを配置するための選択肢です。

しかしまだ多くの企業が、本来テクノロジーが提供するべき優れた柔軟性とは正反対のサイロ型のIT環境を運用しています。

新たなアプリケーションの開発と検証、そして実装が求められているのです。現在のパブリック・クラウドやプライベート・クラウドを用いれば、企業は新時代のアプリケーションやサービスをスピーディかつシームレスに生み出すことが可能なのです。

にもかかわらず、企業の多くが未だにウオーターフォール型のソフトウェア開発モデルに依存したお役所的な仕事の流れに捕らわれてしまっています。プロジェクトはこの中で開発から検証へ、続いて品質保証からインテグレーションへ、そして最終的にプロダクションラインへとフェーズを分けて長々と進んでいくのが常です。

DevOpsを導入するメリット

デジタル・トランスフォーメーションを進めるにあたって、DevOpsの導入がなぜこれほどまでに重要なのかという理由がここにあります。開発サイドと運用サイドの垣根を取り払うことで、DevOpsはソフトウェアの開発サイクルを短縮し、プロダクション・ラインへの速やかな実装を可能にします。しかしそのためにはITが長年慣れ親しんできた視点とはまったく異なった、組織に対する水平思考が求められるのです。

DevOpsに取り掛かる最善の方法とはどのようなものなのでしょうか?

まず何よりも、ITリーダーは組織標準としてDevOpsを支持している事を表明しチームメンバーが積極的に取り組めるよう、その真価を伝えていく必要があります。

チームがDevOpsプロセスやツールに親しんでいけるよう、CIOはマーケティング・サイトや短期キャンペーンのように重要でありながらもビジネス・クリティカルではないアプリケーションでパイロットを行えるよう段取りします。開発と実装、そしてそれらをふり返っての再学習を繰り返すことで、企業は自らのリズムやペース、そしてベストなツールを見つけ出すことができます。

パイロット期間の後、プロセスをミッションクリティカルなものへと拡げていきましょう。何度でも実行可能な、高い信頼性を備えた実装パイプライン・プロセスを実現するために、この時点で確固たるDevOps戦略と運用オートメーション戦略、そして実施手順が確立されていることが重要です。

その他、クラウドにおいて留意する点

CIOはカルチャー面や組織面における大きな問題の数々に対処しつつクラウドをデジタル・トランスフォーメーションに活かし、またテクノロジーに関するいくつかの極めて重要な決断を下す必要があります。

たとえば、既存のシステムやプロセスの完全なインベントリを用意する必要があり、それに加えて、現在のアプリケーションとデータ・システムをどうしていくのか次の中から決めなければなりません:a)現状を維持していく、b)PaaSやその他のアプリケーションツールを用いてクラウド・アーキテクチャやフレームワークへ移行する、c)利用を取りやめる方向で手はずを整える、d)クラウド・ネイティブのアプリケーションとして再導入する。

オーケストレーションやオートメーション・ツールは、開発と運用のリソースを新しいシステムや再構築したシステムへ投入しつつ、既存のシステムをシームレスに継続して利用していくために重要です。

クラウド・システム管理ツールやオーケストレーション・ツール、そしてオートメーション・ツールが、ますます複数のデータセンターや異なるクラウド基盤を、包括的なエンタープライズITソリューションの一部として利用できるようにしています。これはビジネスを加速させるために必要なガバナンスとインサイトと統制を実現しつつ、複数のクラウド・ソリューションを利用することでロックインを防ぎ、同時に価格競争も促せるため、エンタープライズにとって素晴らしいことだと言えるでしょう。

テクノロジーに対する最適なアプローチを取り入れ、組織の思考回路に新たな風を吹き込むことで、CIOはクラウドとデジタル・トランスフォーメーションという今日の大きな2つのトレンドを融合させ、大きな結果を残す事ができるのです。

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